C56135号機の製作


●KATOC56小海線をベースにC56135号機を作ります。 135号機は中国地方を皮切りに最終的には九州・吉松機関区で廃車となりました。現在は兵庫県にて静態保存されています。1972年にはお召し牽引予備機にも選ばれ、美しい装飾が施されました。今回はこの時の状態を再現したいと思います。テンダー標識灯は九州地方独特の埋め込み式となっています。また、ボイラー梯子上部には手すりも装備されています。赤色ナンバープレートを付けていました。


モデル製作にあたって最初はやはり、資料収集から始めます。インターネットから詳細な写真を探し出してプリントアウトします。細部がわかるように出来るだけ沢山探し出します。
  ■1973年頃吉松機関区で撮影した唯一の写真です。


2018年・10月に再販された製品です。パッケージデザインは変化していますが、中身は初期のものと全く同じです。3枚目の写真は手前側が以前マイクロエース製品の足回り・テンダーを流用してエンジン部分はスクラッチして作った同機です(の、つもり・・)。

  


加工し易いように製品をおおむねバラします。 先ずはテンダーの加工から。(どうしてもエンジン部を最初に触りたくなるのですが、そうすると何故かテンダーの加工が雑になってしまう傾向が私にはあります。) テンダー後部のディテールはデザインナイフやリューターで概ね削り取り、最後は1500番くらいのサンドペーパーで平面にします。 心が折れないうちに標識灯点灯の為のLEDを作っておきます。今回使用したチップLEDは「NO1005」という超極小タイプです。これに導線をハンダ付けして合計4個作ります。(前・2灯 後ろ2灯) さらに今回は、キャブ内の点灯加工も行う為、電球色のものも1個作っておきます。

  


幸いにもKATO製品のLED基盤にはブランクがありますので、この部分に標識灯用LEDをハンダ付けします。2枚目の写真はキャブ内点灯用の「ブリッジダイオード」を試しに組んでいる状態です。ブリッジダイオードはLEDの極性に関係無く点灯させる事が出来る優れものです。エンジン部にこのダイオードを収容する場所が無いので、テンダー内部に組み込みます。点灯試験が終わったら、LED部分(導線含む)を切断して、簡単なコネクター状のものを真鍮線で作りました。(凸) テンダー側には凹状のものを真鍮パイプで作り、最終的にはエンジン部とテンダー部を組む時にはめ込みます。

  


テンダー後部のディテールを作っていきます。埋め込みライトは銀河モデルのパーツを使いました。解放テコは装飾に有効なので洋白線で作り直しました。さて、キャブです。が、同機は標準的な形ですので、元モデルの延長ヒサシ部分は切り取ってしまいます。そして実機写真を参照に、ディテールアップ工作をしていきます。

  


さて次は楽しいエンジン部の加工です。同機は空気作用管がハンドレール手すりの上部に位置していますので、思い切って作り直します。ディテールをやはり削り取り、(砂撒き管含む)0,15mmの燐青銅線を使用して表現します。
  


燐青銅線を0,2mm幅の洋白帯で固定しながら作り込んでいきます。更に他のディテールも真鍮線や銅線を使って表現していきます。非公式側も資料をよく見ながら作り込んでいきます。
  


●ハンドレールや上部手すりは洋白線で作り、さらにATS発電機周りも作り込んでいきます。同機は標準大型前照灯のため、今回はワールド工芸の余剰品であったライトを使用し、簡単な「被せライト」式にしました。仕上げの際に、銀河モデルのヘッドライトレンズをはめ込みます。足回りの装飾用に真鍮帯を貼り付けていきます。今回はキャブ窓縁取り装飾以外は全てこの方法を採りました。(後の磨き出しが楽しいです)さて、フロント部です。煙室戸ハンドルは元モールドを削り取り、やえもんデザインさんの標準型を取り付けました。解放テコは洋白線。前部(給水温め器カバー?)の装飾は2mm洋白帯で表現しています。 ※本来ならば動輪・ロッド類を含む下回りは分解してから加工を行うべきなのでしょうが、後の組み込みがどうも面倒な為、・・ここにきて手抜きをしています
  


デフレクターの縁取りは0,2mm真鍮線を形を整えた後、さらに薄く削り、貼り付けてあります。つかみ棒は銀河製のパーツです。 そこそこパーツの加工ができあがりました。製品はランボードに綺麗な白線が印刷されているため、これを塗装で潰さないようにマスキングして保護します。また、テンダーは白線印刷がなされて無いため、これまたマスキングをして白色で塗装します。
  


テンダーの白線表現が完了した状態です。少し、はみ出し部分がありますので、後に修正します。パーツの塗装が終了した後、磨き出しをした状態です。エンジン部と足回りを組み、尚且つ、フロント前部の標識灯表現のため、製品のLED基盤ブランクに赤色LEDの導線をハンダ付けします。今回、この配線は何と!車体下部裏側から直接行うようにしました。(機種によって方法は様々)

   


今回はLEDチップをダイレクトに取り付けたので非常に明るく点灯します。間に抵抗を加える事によって調整は可能でしょうが、演出的には優れているように思います。LEDチップの形状は違和感が全く無く、軽い塗装も可能なので、この方法はやめられません。 テンダー前部に少し突き出たコネクタージョイント部分。エンジン部キャブ後方からぶら下がった状態のLED導線。テンダーと合体させるときに嵌め込みます(着脱は容易)。
  


おおむね出来上がった状態。架線注意板はプリンターで自作したもの。 キャブ内及び、標識灯の点灯試験をしています。(写真下手です。)
  


細かな粗を補正して完成!!塗装は全体にグリーンマックス黒色(半光沢)ロッドにはタミヤ製エナメルカラー赤(光沢) 簡単なモジュールに置いて撮影。

               


如何でしたでしょうか。ディテールアップなんて格好良い事言っていますが、あくまで自己満足であり、ディテールダウンの可能性も大いにありえます。気になる箇所等がありましたら教えて頂ければ幸いです。 尚、完成後の詳細写真はこちらC56135号機のページにアップしてありますので、併せて見て頂ければ幸いです!!


                             トップページへ戻る